ごあいさつ 見た目の古い本星マリナ 父の本棚は、父が亡くなってから長いこと手つかずのままでした。 何年か前に実家に滞在していたある日、本の上につもっているホコリを見て、私はついに大々的な掃除をはじめたのでした。 ふき掃除をするにあたり、それぞれの棚から一度すべての本を取りだすと、それらをもどすにあたり、カテゴリ別にわけてみたくなりました。 もちろん、父のつかっていた状態を維持したほうがいいので、全体的な構成はそのままに、自著、献本、参考図書などを、判型や内容で、ある程度まとめました。 そのときに「見た目の古い本」というカテゴリに私がまとめたのが、以下の写真の本です。 クリックすると拡大します。書誌データをページ下に掲載しました。 注:持ち方が悪くて『小唄控』の函に穴をあけたのは私です。 以来私は、この棚を見るたびに「このまま出しておくと、どんどん劣化するから、ちゃんと保管しなければ」と思いつづけていたのですが、今年になってやっと、そのための中性紙の箱を購入し、その作業を完了したのでした。 箱に保管するにあたり、ひとつひとつの本を写真に撮り、よく見てみました。 そうしたら、これらの本は、単に見た目が古いという共通点があるだけではなく、どれも父にとって大きな意味のある本だったということに気づきました。 これこそが、父のインスピレーションのもとであり、作品のエッセンスだったのではないでしょうか。 まるで本そのものから、「これは特別なんだよ」というオーラが出ているようでした。 父は、これらの書籍をなんども手にとり、大切なことを思い出し、軌道を修正し、ということをくりかえしていたのではないかと、私はその様子を想像するようになりました。 血となり肉となり、脳細胞となり方程式となった本。 最期まで手元に残した本。その存在感に圧倒される思いです。 もしかすると。だれの本棚にも、それぞれの「見た目の古い本」があるのでしょうか。 きっと、そうですよね。 おおくの方の本棚に、古くなった父の本がずーっと残っていますように。 星新一本棚「見た目の古い本」25冊
(写真の左から順に) 書名/シリーズ名/著者・編者・訳者・監修者/出版社/発行年月
2021年9月6日(ホシヅルの日) | |||||||||
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