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 ごあいさつ 

どこかの星のアンソロジスト

星マリナ


 わざわざ混んでいるところに行かなくていい。

 今年、私は父のこの言葉をなんども思い出していました。 小さいころ、花火大会に行ってみたいと提案したとき、「わざわざ混んでいるところに行かなくていいよ」と却下されたのでした。

 子供が親に対してつかう説得材料というのはたいてい、「だって、みんな行ってるよ」なわけですが、「みんなが行く」のがNGなのですから、そのように言われると反論のしようがありません。 それで、花火大会には行かずにおわったのでした。

 父は当時にしては、かなりひんぱんに家族旅行に行っていたので、子供をつれてどこかに行くこと自体が嫌だったわけではないのです。 ですが、そのごも、同じ理由で行かずにおわった場所がいくつかありました。

 パンデミック2020を生きて、「わざわざ混んでいるところに行かない」という考え方には一理あると学んだ私は、これを家訓と呼ぶことにしました。


 そんな行動制限の今年、私が家でコツコツとつづけているのは、星作品の海外出版リストの作成です。 古今東西の出版物の調査は、まさに時空をこえる作業であり、家にいながらにして海外旅行とタイムトラベルの気分が味わえます。

 翻訳アプリを駆使して、手元にある各書籍の収録作品を特定するのは、神経衰弱ゲームのようでした。 なんといっても、似たようなタイトルの作品がたくさんあるのです。

 その言語の「星新一」表記がわかればネット検索の幅がひろがります。 書影の画像検索もおおいに役立っています。 各国の電子書店やオークションサイト、また各国のウィキペディアやSFファンの書誌データベースに、貴重な情報(無許諾出版の情報をふくむ)が掲載されているのには感心してしまいました。

 いろいろな国で、いろいろな言語で、作品集が編まれている。 その感想を書き込み、ウィキペディアのページやデータベースをつくる人たちがいる。 私は、そのアンソロジストや一般読者やSFファンの頭のなかを垣間見たような気分になるのでした。

 こうした作業を経て、私は、いつか『地球の短い物語100選』というアンソロジーが編まれるときがきたら、星作品も1編収録されるのではないかと考えるようになりました。 どこかの星のアンソロジストが、「お。この話は、地球の文化を知らない人にもわかりやすくていいな」と、えらんでくれそうな気がするのです。 それは、いったい、どの作品でしょうか。それは、ものすごく意外な作品かもしれません。

 とおい未来、そんな日がくることを夢想しつつ、海外出版リスト(ひきつづき調査中)の完成を目指したいと思います。


2020年9月6日(ホシヅルの日)
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